ここでは【埼玉県川口市の注文住宅】施工事例をご紹介します。
おそらくこの頁は日本全国で一般の方が見る事はほぼないと思い、お客様の説明用としてアップさせて頂いております。
◇建設地
今回はちょうど電柱と窓の位置が重なってしまうので、設計段階から電柱移動の位置を検討していきます。
敷地は東西に長く、南北に短い南4m道路に面しています。
このタイプの敷地は高さがとても厳しいです。
理由はふたつあり、
①東西に長く南北に短い事。
②全面道路幅員が4mである事。
勿論、北側に道路があっても同じことが言えます。
ただ同じ条件なら南側に道路があるほうが、まだ建物を北側に寄せて計画できるため、日照確保の面においてはかなり違いがでますよね!
◇周辺環境調査
まずは建築関連法規制を含め、施工時の道路の位置や幅員などを確認します。
時間規制などの有無等も合わせて確認します。
◇車両搬入口
今回は結構搬入口が狭いのですが、中に車両を入れてしまえば逆に入ってくる車両がないので施工はしやすい面もございます。
◇隣接地の沈下等
施工前には必ず近隣の状態を把握しておきます。
工事には騒音等も伴い、ご近所にとてもご迷惑をおかけします。
大抵は皆さんお互い様と言って協力して頂けますが、中には許して頂けない方もいらっしゃいますし、それが原因でこのようなワレなども工事の影響だと言われることもあるので、念のため近隣の状況は確認しておくことがよろしいでしょう。
◇地盤改良工事
いよいよ地盤改良工事です。
地盤改良工事では、予め決められた建物の高さの設定を確認し、次に建物位置を出します。勿論逆でも構いませんが。
よく見るとピンク色の紐のようなものが見えますよね?
ゴミではありませんよ!
そう、こちらが杭の位置なのです。
◇地盤改良杭材料受入検査
ここではJIS規格等の確認を行い、長さや厚み(今回は)数量などを確認します。
◇杭打ち機の設置
杭打ち機を設置します。
今回は本数が多いので、この設置場所は重要です。
杭を打ったあとはその上を車両が乗れないので。
◇杭打ち施工
一本ずつ丁寧に杭を打ち込んでいきますが、ただ打ち込むだけではないのです。
当然ですが、杭の打ち込み長さが決まっており、レベルを見ながら僅かな許容誤差範囲に納めています。
◇地盤改良工事完成
こちらは地盤改良工事後にキャップをしています。
今回の現場は比較的スムーズに入りました。
こちらの工法は地中にガラや障害物などがあると厄介なのです。
もちろん、他の工法においても地中障害物は悩みの種でありますが。
さぁ、それでは基礎工事のご紹介をさせて頂きます。
既に建物の位置出しは地盤改良工事の際に行っているので、ここでは地盤改良工事後の根切工事からご紹介します。
◇根切工事
このように根切工事では重機を入れて計画している建物の高さに応じて地面を掘削していきます。
◇地業
ここでは計画建物の高さに応じて正確に強固な地面を形成していきます。
割栗石や砕石などを用いて地盤面を安定させます。
◇捨てコンクリート
基礎の下地をしっかりと固めたら、次に捨てコンクリートを打込みます。
これはいくつかの意味がありますが、主なものとしては基礎の高さを安定させる事と建物の位置を正確に墨出しすることです。
【ここでは杭を傷めずに締め固めるのがポイント!】
◇鉄筋材料受入検査
このように、現在は大抵ユニット鉄筋という予め計画基礎断面によって組立てられた鉄筋を現場に設置していきます。予め組み立てられたと言っても設計された寸法によってその寸法等は異なります。
◇鉄筋検査
基礎工事のメインイベントがこの配筋検査になります。
こちらにて設計された基礎断面かどうかや、鉄筋のコンクリート被り厚さなどを検査します。【基礎は鉄筋量と施工精度が大切】
◇コンクリート打設
こちらも大切な施工課程となります。
中には他社施工において、大雨の翌日に水が溜まっている中にコンクリートを流し込んでやり直しをしたということで当社にご相談されたお客様もいらっしゃいました。
この耐圧スラブにコンクリートを打設する工程は、基礎工事で最も大切な工程といってもいいでしょう。上部荷重を梁と柱を伝わり、最終的にこの耐圧盤から地盤に伝えていきます。
◇打設後の状態
きれいに打設が終了しました。
◇散水養生
コンクリートは打込み後、水分が蒸発して強度を増強していきます。
そこで散水養生が大切になってきます。
当社ではコンクリートが適正強度を発揮できるよう、温度補正(強度増強等)を行い、適切な散水養生を徹底しています。
多くの業者様や現場監督は暑くて急激に水分が蒸発する真夏の時期でもこの散水養生を行っていないという問題があります。そのため、水との化学反応にて硬化するコンクリートに異常が生じてひび割れや強度不足が生じます。
◇基礎立上り型枠工事
耐圧コンクリートの養生期間後、立上りコンクリート打設用の型枠を組み立てます。
◇立上りコンクリート打設
立上り型枠内にコンクリートを流し込みます。
◇立上りコンクリート養生
季節は既に春に近く、温度補正は不要ですが、雨等の心配も皆無ではないため、念のため養生はしておきます。
◇基礎完成
いよいよ基礎が完成しました。
今回も良い基礎が出来ました。
あとは引続き散水養生しながら次工程です。
次は設備工事をして土台工事にはいります。
さぁ、それでは外回りの設備工事をご紹介します。
基礎が完成して先行足場を組む前に行うのがいわゆる先行配管という工程。
以前は終わってから狭い床を掘りながら工事していたこともあったのですが、
今は施工性を考慮して足場の前に行うのが一般的かと思います。
◇外部設備配管
このように配管をしていきます。
こちらは道路際にある最終の汚水マスからの勾配を計算するとともに、その勾配の一番高くなる部分における土被りを所定の数値確保していきます。
◇埋め戻し
◇先行配管完了後全景
次回はいよいよ大工工程。
土台引きをご紹介していきます。
さて、基礎が完成したら次は土台引きです。
大工工事としては一番最初の大切な作業です。
◇土台引き
土台引きは大工仕事の中でも特に技術が必要なものです。
ここでの墨だしを間違えれば家はまっすぐ立ちません。
構造躯体も歪んでしまいます。
上の写真では土台を引きながら基礎断熱を施工しているところです。
次回は上棟をご紹介します。
◇上棟
↑↑↑今回はレッカーが何度も切替してようやく接地しました。
↑↑↑小屋まで組み上がりました。
今回は片流れ屋根!
次回は屋根工事をご紹介させて頂きます。
上棟前に先行足場を入れ忘れました。
上記の上棟前、土台引きの前後に先行して足場を施工します。
◇先行足場
基礎が完成して外部水道配管等が完了したら、次は先行して足場を組み立てます。
このとき、土台引きとどちらが先かは現場の判断となります。
つまり足場を組んでも上棟材の置くスペースがあれば先行して足場を施工し、基礎内に上棟材を置いたほうが施工しやすければ先に土台を引いてから足場を施工します。
☆次は屋根工事です。☆
◇屋根工事
まずは下の写真のように屋根の下地となる屋根垂木(たるき)を施工していきます。
↑↑↑ 垂木の施工は簡単そうで結構重要な工程です。
ここで屋根の軒の出の調整や強風で飛ばされないように金具で補強を行います。
↑↑↑ 屋根垂木工事が終わったら次に野地板(のじいた)という屋根下地を張っていきます。ここでも決められた釘を使用して決められた間隔でがっちり固定していきます。
さて、次は当社ならではの屋根断熱工事になります。
他社との圧倒的な違いのひとつですのでお見逃しなく!
◇屋根断熱
上の写真のように屋根に外断熱を施工していきます。
このように屋根を外側からそっくり覆う事で優れた断熱性が発揮されます。
◇屋根下地ルーフィング
屋根の外断熱施工が終わったら、通気層を確保してもう一枚野地板を施工します。
ここでは略してその野地板施工後に行うルーフィング施工についてご紹介します。
屋根にルーフィングを施工すると上の写真のようになります。
当社では全棟「改質アスファルト系」ルーフィングを採用しています。
つまり通常のルーフィングよりも性能が高いということです。
屋根は太陽からの強い日射を直接受けるので、その下地は年を重ねるごとに劣化してきます。少しでも長くメンテナンスサイクルを伸ばせるように配慮しています。
◇屋根仕上
屋根下地のルーフィング施工が終わったら次は屋根仕上材を葺いて屋根の完成となります。
上の写真のように今回はごく一般的なコロニアルを採用しました。
次回は構造金物工事となります。
構造金物は中間検査においても重要なポイントとなる工程です。
◇構造金物
さて、屋根工事が完了したら次は中間検査に向けて構造をまとめていきます。
耐力壁や構造用金物などを入れる作業です。
上の写真では小屋部分の筋かいや構造金物がご覧頂けます。
当社では構造計算をして各柱の引き抜き力を計算して対応する金物を取り付けます。
◇面材耐力壁
外周部はこのように耐力面材を施します。
決められた間隔で決められた釘を使用して固定していきます。
次回は断熱施工です。
断熱施工は住まいの快適性を得るためにとても大切な作業です。
◇断熱施工
こちらが壁の断熱材施工後の状態です。
屋根は屋根工事のところでご紹介しているので省略します。
また、通常屋根は天井面で断熱していますが、当社ではより高い断熱効果を発揮させるため、屋根面に断熱層を設けています。
また、床に対しては基礎断熱と床断熱を併用することが多いです。
【この断熱工事は住宅の性能を大きく左右する超重要工程です】
以上、次回は造作工事のご紹介をさせて頂きます。
造作工事は大工さんが外部工事や構造金物などの施工を終えてから行う内部の木工事仕上げにかかわる工事となります。
◇造作工事
上の写真は造作の初めの作業として行う天井ボード下地施工です。
上の写真は天井ボード下地が完了後に床のフローリングを張り、その後に壁のボード下地を施工します。
因みに電気配線工事などは天井ボードの下地を組んで天井のボードを張る前に行うのが在来軸組工法では一般的です。
また、厳密には窓枠の取り付けなども壁ボードを施工する前に行いますが、ここでは略します。
以上、次回はキッチン施工か内装工事をご紹介予定です。
◇キッチン施工
上の写真はキッチン施工後のものです。
上の写真はキッチン背面の食器棚です。
大容量でたっぷり収納できます。
上の写真は対面式キッチンカウンターの部分です。
これから造作収納を加工していきます。
この造作収納もお客様と詳細な打ち合わせを行い施工図を何度も訂正してようやくこの形になります。
次回は内装工事のご紹介です。
◇内装工事
内装工事は少し手を加えることで劇的に印象を変えることができる工事のひとつです。
上の写真はボードの継ぎ目やビスの跡が仕上げに現れないように丁寧にパテ処理しているところです。
<クロス糊付機械>
内装職人がこの機械を使用してクロスに糊をつけていきます。
この機械はなかなか優れもので、長さや柄の調整なども可能になっています。
<アクセントクロス>
上の写真は壁の一面だけにアクセントをつけて部屋の雰囲気に変化をつける手法です。
真ん中のくぼみには可動式の造作棚を計画しています。
次は仕上げの造作工事のご紹介です。
◇造作工事
下の写真はロフト手摺の仕上げ前の状態です。
このロフト手摺は今回桧材を採用しました。桧材は耐久性にも優れ、抗菌作用や強度もあることから、木材では広く用いられています。
価格が高いのが難点。
当社では屋根断熱を採用しているため、基本的にすべての建物でこのように小屋裏をご利用頂けます。しかもその小屋裏は皆さんが想像しているように夏とても暑いというものではなく、夏でも快適に過ごせる環境が実現可能です。
次はいよいよ「内部」最終仕上げのご紹介です。
◇リビング完成
こちらのリビング床には秘密の材料を採用しています。
耐久性抜群のフローリング調デザインです。
それとお施主様の希望により南側採光部にホスクリーンを設置しています。
<対面キッチン部収納>
当社では一棟たりとも同じデザインはありません。
すべてがそのお客様に合わせたオーダーで設計士がサポートしています。
上の収納棚は可動式であらかじめ収納するものは決めてはいますが、将来の可変性を持たせました。
<たっぷり壁面収納>
これもお施主様の希望により設計した可動式収納です。
シンメトリーを好む方でいらしたので、このようにバランスを整えました。
また、収納背面にのクロスは変化をつけています。
次に吹き抜けの完成をご紹介します。
◇吹抜け完成
こちらは北側吹抜けのイメージです。
こちらは吹抜けからつながる上部のロフトと下部のホールとの空間となります。
こちらは吹抜け上部のイメージです。
空気循環用のファンと明り取り窓、間接照明を配置しました。
吹抜けの下部にもこのように窓を配置しました。
こちらはデスクも設けましたが、画像がなくてすいません。
以前にもキッチンは少しご紹介していますが、完成形としてはまだでしたので、今回はキッチンのご紹介をさせて頂きます。とはいってもちょうどいい画像がなくて、いつもこのような時に、「あの時ちゃんと撮影しておけばと後悔しています」
◇キッチン完成
まずはキッチンへの基本アプローチ動線です。
キッチンへの動線は大切ですよね!
こちらのお宅はリビングと洗面の両方からアプローチできるように設計しています。
私のカメラだとこの角度が限界か?
今は一般的な3つ口のIHクッキングヒーターと食器洗い乾燥機、そして昇降式の水切り棚です。
そして背面の食器棚もご紹介したかったのですが、掲載できる画像がありませんでした。またの機会へとさせて下さい。
◇トイレニッチ
当社ではたいていトイレ内に写真のようなニッチを提案します。
小物やトイレットペーパーがある程度収納できるようにつくっています。
これが意外に便利なのです。
次回は玄関土間収納か個人別収納スペースをご紹介したいと思っていますが、画像が見つからなかったらすみません。
・・・その後、いろいろ探した結果、画像が見つかりませんでした。
撮影した記憶はあるのですが、何かの媒体に保存してしまい、その後の管理がよくありませんね。
ということで、玄関の収納は図面にてご案内させて頂きます。
◇玄関ホール収納
この収納は、ご家族の外出時や帰宅時に玄関で上着やコートなどを着脱するために活用するスペースとして設けました。また今だからこそ注目されていますが、ホールに洗面台が配置してあります。
このように施工段階に合わせて展開図を数十枚作成するのが私の設計手法の特徴です。作図は単純なものですが、寸法などは正確に計算しています。
以上、このS様邸についてはこれで最後の投稿とさせて頂きます。
長くご覧になって頂けた方、ありがとうございます。
このあと外構工事もございますが、それはまた別の機会があればご紹介させて頂きます。