本日は2017年(平成29年)8月14日です。
今年は不動産業界の現状にいやな予感を感じています。
タイトルに「個人的主観」と書いていますが、一応は様々な数字も調査した上での今後の「不動産における物件的価値」について将来的不安を感じています。
まず現時点における不安要素は「少子高齢化による住まいの供給過剰」が一番大きな壁であり、近い将来必ずこの壁にぶち当たるのは避けられません。
にもかかわらず、地主は土地を守ろうと借金してアパートを建てまくっている。
どう考えたって不自然で気持ちが悪い。
それと今流行のリノベショーン!
アパートは現状復旧できるように既存の壁紙の上から違うクロスを貼ってみたり、床にデザイン性のある仕上げを敷き詰めてみたり、棚板をきちんと固定しないで造作してみたりと、一見すると現状復旧できるならいいんじゃないと思いますが、中にはいざ復旧しようと思ったら上手く剥がれないものもあるだろうし、地震が来たら崩れてしまう棚だってあるでしょう。
また、リノベ済みのマンションなども新築を購入するよりはかなり割安だということで一定の成果をあげていますが、そもそもコンクリートの耐久年数などもきちんと考えて購入されているのか疑問です。設備なども修繕費用が大きいので、中には現状の修繕積立金では足らずに加算が必要になる物件もあるでしょう。
それとマンションは解体工事に莫大なお金が必要となるので、本来は建てた人は壊して更地に戻す事までトータルで考えるべきなのに、そこまで考えられていない物件が多すぎます。
今、都心に比較的近い川口市・蕨市・さいたま市で見ても、マンションは中古でもかなり高く売られています。先日見た蕨市の物件でも、築35年以上経過している中古マンションが2,000万円後半で売りに出されています。果たしてあと何年済めるのか?
いずれにしても今後の日本は移民や外国人をどんどん受入でもしない限りはどんどん衰退する一方で、それに伴って不動産の価格は下落すると考えるのが自然だと私は考えています。特に今人気の都内の高級地などは東京オリンピック後の超供給過剰状態により大きく調整に入ると考えています。
仮にカジノなどの娯楽施設が整い、一定の外国人を誘致できたとしても、今の現状を打開できるほどのインパクトに欠けています。
もともと戦争による爪あとの少ない地域を除いては、土地などの不動産は個人が勝手に縄張りしたり、石を投げてその範囲を決めていたのですから、それがバブル期にはあぶく銭となり、そこから急落して現在に至る訳です。もっと昔にさかのぼれば、ほぼすべての土地が縄張りの類でしょう。
考えてみて下さい。ほんの72年前は敗戦して焼け野原の中、私の地元は勿論、東京でさえもかなりアバウトに不動産の権利が決まっていたのです。それを戦後急速に発展したおかげで所有権という権利がタダで得られ、まさにタナボタによって舞い込んできたといっても過言ではないでしょう。
現に私の知っている大地主さんのお宅も、取得時は意思を投げて決めたという。
要するに何が言いたいかというと、いかにも個人のもののように扱われている土地は、本来は国の所有に属するべきであって、それを管理する権利に「所有権」という名称をつけて社会を構成するもののひとつとして扱われていると私は考えています。戦後から大きく変化した日本は、これから加速的に変化を続けるのでしょう。その中で不動産の価値がどのように変化していくのか、それは日本という国が発展するのか衰退し続けるのかによってほぼ決まるということ。
僅か72年でこれだけ発展した日本に今後も期待したいが、前述した「少子高齢化による過剰供給」により、大きな局面をむかえつつあるというのは間違いないでしょう。この局面を乗り切って、財産形成のひとつである貴方の不動産の有効的なあり方を一緒に考えましょう。