食と住まいの共通点

こんにちは。
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以前から私がよく感じているのは、飲食店と工務店というのは本当によく似ているな~ってことです。

皆さん、自分のお気に入りのお店ってありますよね?
私は食べることが大好きなので、和食を食べるならここっていうようなお店をいくつかもっています。

それはファミレスから個人店まで様々です。
きっとみなさんもそんなお店をいくつかもっていると思います。

今日はそんな美味しいお店について多少考えてみたいと思います。

実はこの飲食店選びと工務店選びというのは非常に似ているんです。

なので今回は飲食店と工務店という異業種ではありますが、その類似しているポイントを考えたいと思います。

ここで、飲食店には大きく下記のように規模別に分けることができます。

①ファミレス
②数店舗展開しているお店
③個人店

掘り下げて考えると他にもありますが、ここでは解りやすくするために、大中小という規模をとりあげてみました。

この大中小の中でも価格差がピンからきりまであります。
①のファミレスにしても、私の身近にあるお店を見ても安いお店と高いお店では1.5倍くらい違うでしょう。

ではその価格差は何ですか?

その価格差=食材の違いやシェフの腕、サービス、立地だったりします。

高い価格設定にはそれなりの理由があります。
中にはただ単に高いだけというお店もありますが、そんなお店はあまり繁盛していません。

そんな中で自分がファンになっているお店というのは一体どんなお店なのでしょう。

私は圧倒的に個人店が気に入っています。
ファミレスや数店舗展開しているお店と比べるとサービスは高くはありません。

ではなぜそのような個人のお店がいいのでしょうか?

本来なら組織として多くの従業員で構成されているお店の味は研究されていて美味しくて、食材も大量仕入れできるので安くなるというのがごく自然な考え方ですよね。

品質も大手のほうが安心できるような気もします。

もちろん数店舗展開しているお店もそれなりに力強さを持っていて良い食事を提供してくれそうです。

しかし実際に多くの方がこのお店は美味しい!
そう感じて満足できるのは個人のお店だと思います。

それは立地を問わず、銀座の一等地から郊外までの共通事項です。
以前、中堅の飲食店経営者と話した際に興味深いことを言っていました。

ずばり『がんばっている個人店には勝てない』と!

素材良し、料理の腕も良し、価格も大手より安いという三拍子がそろえば、店構えやサービスが多少悪くても行列ができます。仮に大量仕入れで大手と個人店で10%仕入れ価格に差が生じたとしても、個人店にはそれを丸ごとひっくり返せる秘密兵器があります。

それに対して、大手や中堅のお店では、必ず従業員の『熱意に差』があります。

アルバイトでも一生懸命働く方はたくさんいらっしゃいますが、そうでない方のほうが圧倒的多数を占めているのが現実です。

日々の生活を支えるためにその仕事に夢を託さないという性質がアルバイトには少なからず存在する。

勿論、やるからには何事も一生懸命やるという素晴らしい方もいますが、その一生懸命さにも自分の人生をかけているかいないかで雲泥の違いがでるのです。

しかし、個人で営業されている方は、勿論上記と重複した日々の生活のため、自分たち家族がご飯を食べていくために仕方なく営業している方もたくさんいます。

しかし、アルバイトの中にもやるからには一生懸命やるという方がいるように、個人のお店でも同じように頑張っている方がいます。

ここで比較するのは、そこでただ一生懸命なのか、夢を持って人生かけて一生懸命に取り組んでいるのかによってもだいぶ違いがでるということで、後者なら、その個人のお店に行けば必ず満足して帰ってこられるのです。

なぜならそのお店にはその人しかいないからです。

つまりお客様のために自分の人生をかけて料理をするというたった一人の人間が、献立を立て、食材を選び、料理をする。こうしてテーブルに出される料理は最高以外の何ものでもないのです。

そこには、やる気のないアルバイトもいない、社員もいない、料理を運ぶスタッフくらいはいるでしょうけれど直接料理に関与しない。食材選びから料理までのすべてが一流の料理人によって完結するのです。

そうなると大手や中堅の組織として展開するお店はどうやっても勝てません。

人材育成などを常時行い、厨房では料理人の育成、フロアでは接客マナーの教育と新たな人材が入れ替わり立ち代りに入るたびに指導するが、企業側はその人材を育てるのに限界があります。

なぜなら優秀な人材はみな独立してしまうからです。
最も大きな痛手は、多大な経費を投入して育てた人材があっけなくやめてしまうことです。

優秀な人材は向上心があり、常に自分の力を高める努力を行い、やがてその企業が使っている以上の食材を求め、そしてその企業のメニューにない献立を造りたくなるものです。

ですから企業側はそのような人材が一時的に入社してもやがては手放すことになり、そのときのダメージはとてつもなく大きいものになるので、そうならないように均一化を徹底しようとします。

誰が料理しても同じ味になり、誰が仕入れても同じ素材が調達できる。
このような状況下では一流の個人店には勝つことができないのです。

そう、違いは『熱意』なのです。

自分が何とかしなければ!

極力良い素材を使って、一人でも多くのお客様に美味しいと満足してもらうために人生をかける。

一人の人間ができることは限られてきますが、少なくともその一人の人間に出会ってファンになったお客様くらいは満足させることができるのです。

もちろんファミレス系で妥協して食事をすることも多々あるとは思いますが。

近年は高級料理店の不祥事が毎年のようにテレビでも取り上げられていますが、結局良いものを提供するというのは、相手のことを考え、経営者やトップが自分が食べるならこんなお店で食べたいと思えるようなものをつくって提供しているかどうかがポイントだと思います。

そしてそれらを実現するために経営という名の下に、金儲けに走らずに『経営=社会貢献・お客様を満足させる』という根本的な常識を持ち続け、確かな店舗管理を行っていくということは非常に難しいこと。

経営者が理想を掲げても、揚げ物担当・焼き担当と各持ち場の担当者一人がダメならすべてダメになる。

価格と品質のバランスの取れたお店というのは少ないですが、美味しい料理を納得のいくお値段で提供してくれるお店というのは地域密着型の個人店に限りますね。