さて今回は、前回のその①の続きの記事となりますが、前回は外断熱のメリット・デメリットや建築的な「納まり」についてご紹介させていただきました。どちらかといえば外断熱の技術的な話になりますが、外断熱ってどんな工法なの? というのは私のブログでも既に解説していますし、検索するといろいろご覧になれますが、施工について手っ取り早くわかるサイトは少し見つけにくいので、今回は施工についてもご紹介させていただきたいと思います。
ではさっそくですが、今回の「その②」では「基礎断熱」をご紹介したいと思います。
外断熱では、基礎の上に「基礎パッキン」を採用して床下空間を自然換気する方法と、もうひとつ床下空間も居室と同程度の温度を保てるように断熱してしまう気密工法がございます。
どちらかといえば前者のほうが一般的で後者のほうが数は少ないと思います。
基礎パッキンを採用して床下空間を換気する場合のメリットと、基礎パッキンを採用せずに床下空間を居室と同程度の温度設定にする場合のメリットはそれぞれございますが、その部分だけでも少し解説が長くなってしまうので、必要に応じてそちらの解説はまたの機会に行いたいと思います。
それでは基礎断熱をご紹介致します。
基礎断熱の施工事例
↑このように基礎断熱とは、基礎の外周部の立上り面とその折り返しの耐圧盤の一定の範囲において施工します。
基礎断熱の施工事例
↑外周部の地熱が放物線状に時間をかけて屋内に伝達するため、このように建物の外壁面の一定部分を断熱することで、地熱が建物内の基礎耐圧盤面に到達するまでには半年程度かかるため、その熱が生活するうえで負荷にならない範囲で施工しています。
基礎断熱の施工事例(全景)
↑全体的なイメージとしてはこちらになります。
このように基礎断熱は、基礎の立ち上りが外部から内部へとつながっている場合、その内部側の立ち上がり部分においても一定範囲の断熱施工が必要になります。こちらは想像しやすいと思いますが、外部からの熱が基礎のコンクリートを通して内部の立ち上がり(基礎)部分に伝達してしまうからです。したがって、その熱が伝わらなくなる範囲まで断熱を延長しているという考え方とご理解下さい。
ここで、一般的な床断熱の事例も一緒にお伝え使用とも思ったのですが、少し長くなってしまうため、基礎断熱の考え方としてはこちらで一度まとめさせて頂き、「次回は床断熱」についてご紹介したいと思います。実は今回、私が基礎断熱を推奨している関係により、基礎断熱から先にご紹介してしまいましたが、一般的には次回の床断熱のほうが「外断熱工法」において採用されている事例が多いと思われます。その際に軽く前述させていただいた「床下空間の換気関係」も一緒にご紹介できればと思います。
それでは今回もご覧頂きましてありがとうございました。