省エネ住宅ポイント制度

ついに住宅エコポイントが復活しました。
これにより平成27年度は再び住宅業界は活発になるでしょう。

省エネ住宅ポイント制度は、『省エネ性能を満たすエコ住宅の新築、対象工事を実施するエコリフォーム及び省エネ性能
を満たす完成済みの新築住宅の購入を対象とする』とあるように、主として住宅を省エネに対応させた新築やリフォームの物件に対して適用されます。

詳しい概要は弊社ホームページ、若しくは弊社ホームページの国交省リンク頁をご確認下さい。ここでは簡単にその概要やメリットなどをご説明します。

まずこの制度は、現在の新築住宅であればおそらく建売クラスでも適用される物件が多いと思われます。というのは、昨年の法改正で既に省エネに関する基準がこれまで以上に高くなりました。それに伴い、住宅の『省エネ性能』が向上した物件が多くなっているからです。

新築や完成済み物件の場合、省エネ法の『トップランナー基準』に適合するか、木造住宅の場合、省エネ等級4の住宅など、現在国がすべての住宅に適合させたいとしている最低の基準を満たせば適用となる。

リフォームの場合、『窓の断熱改修』、『床・壁・天井の断熱改修』、太陽熱利用・節水型トイレ・高断熱浴槽・高効率給湯機・節湯水栓などの『エコ住宅設備』の採用、若しくはこれらの併せて行う『バリアフリー改修』、『リフォーム瑕疵保険への加入』、『耐震改修』などが対象となります。

◆発行ポイント数
エコ住宅の新築及び完成済購入タイプの発行ポイント数
1 戸あたり、300,000 ポイントを発行します。

エコリフォームの発行ポイント数
1戸あたりの発行ポイント数は、対象工事内容ごとのポイント数の合計とし、300,000 ポイントを限度とします。
ただし、耐震改修を行う場合は、1戸当たり450,000 ポイントを限度とします。
※つまりリフォームによる30万ポイントと耐震改修による15万ポイントがポイント発行上限ということになります。

◆対象期間
平成26年12月27日(閣議決定日)以降の工事請負契約を対象
建築着工・工事着手
工事請負契約から平成28年3月31日までの間に、エコ住宅の新築に建築着工又は、エコリ
フォームに工事着手し、予算成立日以降に工事完了するものであって、別途定める期間内に完了報告が可能なものを対象とする。

◆完了報告
エコ住宅の新築の完了報告期限
戸建て住宅 : 平成28年9月30日
共同住宅等で階数が10以下 : 平成29年3月31日
共同住宅等で階数が11以上 : 平成30年3月31日

エコリフォームの完了報告期限
一定規模以上(工事請負契約金額の総額が1,000 万円(税込)以上) : 平成28年6月30日
ただし、共同住宅等で耐震改修を実施するもので階数が10以下 : 平成29年3月31日
共同住宅等で耐震改修を実施するもので階数が11以上 : 平成30年3月31日

◆ポイント交換申請
ポイント交換申請は、複数回に分けて申請することが可能です。
ただし、即時交換を利用する場合は、ポイント発行申請と同時に申請して頂く必要があります。
ポイント交換申請期間 : 平成27年3月上旬~平成28年1月15日

◆問い合わせ窓口
事務局決定後に専用のコールセンターを開設する予定です。
それまでの期間は、以下でも問い合わせをお受けします。

従来の住宅エコポイント事務局
電話番号 0570-200-121 ナビダイヤル ※通話料がかかります
<IP電話等からのお問い合わせ先はこちら> 03-4334-9257 ※通話料がかかります
受付時間 9:00~17:00(土・日・祝日・年末年始含む)

国土交通省住宅局住宅生産課
電話番号 03-5253-8111(内線39471、39472) ※通話料がかかります
受付時間 9:30~17:00(土・日・祝日・年末年始を除く)

なお、従来の住宅エコポイントとの比較表をを下記に記載します。
住宅エコ比較

従来との違い
・完成済新築住宅も対象
・借家はリフォームのみ対象
・バリアフリー改修やエコ設備は付随的となる
・既存住宅購入を伴うリフォームにはポイント加算


◆今後の実施機関における注意点
この補助金制度は、来月(2月)の国会で承認される予算によって全体の枠が決まってしまうため、現状の計画においては平成28年3月31日着工分までとされていますが、これはその前に予算がなくなってしまう可能性もあるため、住宅エコポイント制度の過去の補助金制度をみましても、夏頃から予算が急速に減っていってしまう、つまりそれだけ補助金制度を活用した住宅の新築やリフォームが予想以上に伸びてくることが多いので、この制度を利用されようと考えている方は、遅くても年内には申請手続きを完了し、あとはポイントを発行してもらうだけという状況にしておくべきでしょう。実際はそれでも遅いと考えており、現実には需要増による建築資材コストの増加などにより、見積額の上昇なども出てくることが予想されるので、それらを考慮すると10月~11月頃までには工事を完成させたいということが言えるでしょう。もっと言えば早ければ早いほうが確実に有利となります。

以上、今後も変動がありましたら随時更新する予定です。

浴室リフォーム 事例

弊社で実際に住宅エコポイントを利用して手がけたさいたま市の浴室リフォーム事例をご紹介します。

既存の浴室はタイル張りの寒々とした環境でした。
冬は外気温と同じような寒さの中で入浴をするというのは、年を重ねるととても精神的かつ肉体的な負担が大きくなり、冬季の浴室内での事故は交通事故を上回るというほど多くの事故が発生しています。その事故の多くはヒートショックで、温かい居室から一気に15度以上も温度差のある環境へと移動するために起こるもの。

そのため弊社では浴室の環境改善をお勧めしております。
浴室は断熱リフォームを行い、現在の断熱基準をクリアさせます。
そして高断熱浴槽を採用し、お湯が冷めにくい省エネタイプの浴室を提案します。

既存タイル張りの浴室
浴室(改修前)
築30年以上の浴室はほぼこのようなタイル張りのものが多く採用されています。
防水性能も著しく低下して、そこから水が入って土台などを腐らせます。
なんといっても寒いというのが一番の悩みでしょう。

解体工事
浴室解体
このように既存の浴室を解体するとボロボロの状態です。
築年数が25年以上経過していてまともな浴室はほぼありません。

断熱工事
断熱施工
このように断熱材をすべて取り換え、必要に応じて気密施工を行います。
今回は断熱パネルを採用したユニットバスなので、お客様のご要望にて外部の断熱は最低限に抑えコスト重視をした事例です。

ユニットバス設置
浴室(改修後)
コスト重視とはいえ、肝心なユニットバスは良質なものを採用しました。
壁の断熱パネルや高断熱浴槽など、このユニットバスを設置するだけで浴室内が快適になります。

浴室手すり
手すり設置
浴室内には手すりを設置し、スムーズに入浴できるようになっています。

このように、今回ご紹介のものは、『断熱リフォーム』、『浴室の高断熱浴槽』、『浴室手すり』、『浴室入口の段差解消』などにおいて住宅エコポイントを申請した事例です。
もちろん浴室暖房乾燥機も設置しましたが、今回は住宅エコポイント部分のみの解説をさせて頂きました。

省エネ住宅エコポイント対象工事

この記事を書いているのは平成27年3月15日です。
今回の省エネ住宅エコポイントの申請受付が開始され、またご丁寧にTVでも前日に報道されてしまった(受身形)ので余計に事務局に電話が殺到している状態が続いています。

そこで今回、私の隙間時間で恐縮ですが、質問の多そうな事項について順番に記事をアップして補足させて頂くことで、少しでも事務局の方の労力をより中身の濃い質問に集中させてあげるというお手伝いをさせて頂きたいと思います。

そこで第一回目は『対象となる工事』についてです。
住宅エコポイント制度は、過去にも何度か行われているのはご存知かと思いますが、いずれも微妙に異なる点がございます。

ここでは過去の例を挙げても意味がないので、今回の制度について、実際にどのような工事が対象となるのかをご説明差し上げます。
これについては下記の手引きから抜粋したように、手引きをよく見れば書いてあることなのですが、70頁以上ある手引きをすべて見るのも大変ですし、目次を活用すれば比較的容易に得たい情報は得られますが、初めての方はそれすらも戸惑うことでしょう。

対象となる工事
エコポイント対象工事
こちらの表にありますように、①~③のいずれか1つ以上のリフォーム工事が必須となっております。したがって『④のその他の工事等』にある「バリアフリー改修」や「エコ住宅設備の設置」だけを行っても対象にはなりません。あくまで①~③の工事のいずれかと合わせて④の工事を行うことにより、④も対象になるという考え方となります。

①窓の断熱改修
②外壁、屋根・天井、床の断熱改修
③設備エコ改修(3つ以上)

つまりこの①~③は必須です。
しかし今回は部屋ごとの改修も含まれますから、例えばリビングだけとか1階だけという改修でも認められています。

ただ規模が小さくなればなるほど得られるポイント数が少なくなるので、例えばリビングだけの省エネ対策をしたければ、リビングの窓に内窓を設置し、①を採用した場合、それで④のポイントも合わせて申請できるようになるので、仮に和室を洋室にしたいということで、既存の入口に段差があれば、その段差を解消させることにより段差解消の6000ポイントが得られ、当然①で採用した内窓のポイントも得られることになります。

そしてそれを即時交換したければ、どこか他の部位で『追加工事』か『グレードアップ』が必要になります。

例えばキッチンを交換するとか、和室の壁を洋風に変えるとか、そういった工事も即時交換として対応させることが可能となります。

この『即時交換』については、これだけで1講座必要になるくらいのボリュームですので、後日またアップしたいと思います。

それではまた次回、わかり難そうな事項を優先的に補足させて頂きたいと思います。

エコポイント天井断熱施工編

平成27年3月10日から受付開始となった『省エネ住宅エコポイント』。

既に弊社でも相当数の対象物件が動いています。
中には早くも申請済みのものもあります。

そこで今回は、先日、対象工事についてご説明差し上げましたが、その対象工事ってどんな工事があるの?

ということで、『断熱改修』の「天井断熱」についてご紹介したいと思います。
申請の手引きでは「屋根・天井」とありますが、こちらはどちらを採用して頂いても構いませんが、一般的な住宅においては圧倒的に天井断熱のほうが多いため、今回は天井断熱の施工事例をご紹介させて頂きます。

既存の天井部分
既存屋根裏
↑こちらは既存の屋根裏の写真ですが、悪質リフォーム会社にて全く意味のない金物をたくさん入れられていました。
そのご説明はここでは略しますが、ご覧のとおり断熱材は一切入っておりません。
そのため、冬は寒く、夏は屋根からの熱気が伝わってエアコンも効かないという劣悪な環境でした。

通風口のない小屋裏
既存屋根裏②
↑今では当然小屋裏の換気がありますが、昔はこのように全く設けていないというケースも多々あります。
これでは夏の熱気はこもりっぱなしで逃げ場がありません。

既存天井材の撤去
天井解体後
↑既存の天井材を撤去すると、このような小屋組みが出てきます。
ここでは可能な限り補強等を行っていきます。

天井下地
天井下地
↑新しく天井の下地をつくります。

小屋裏換気
小屋裏換気
↑そして小屋裏の換気口を設けます。
これで夏の熱気も排出されるでしょう。

天井断熱施工
天井断熱
↑天井の断熱材を丁寧に隙間なく敷きこんでいきます。

天井断熱施工
天井断熱②
↑室内側からみるとこんな感じになります。
ここでは高性能断熱材を採用しています。
弊社ではこちらの商品がぎりぎりの性能だと考えています。

天井ボード張り
天井ボード
↑断熱材の敷き込みを終えたら、天井ボードを張っていきます。
あとは最後に好きなクロスなり仕上げを施せば天井の断熱改修工事が完了します。

大変そうに見えるかもしれませんが、比較的容易に施工ができますので、断熱性能が不足している住宅においては、省エネ住宅エコポイント制度を活用してのリフォームをお勧めします。

エコポイント床断熱施工編

省エネ住宅エコポイントの受付が本年3月10日に開始されてからこの記事を書いている現在でちょうど2週間が経過しました。

既に電話のほうも少しつながりやすくなっているようです。
さて今回は、省エネ住宅エコポイントの対象工事のひとつである床の断熱リフォーム事例をご紹介します。

弊社でも既に申請済みの物件もあり、現在進捗している物件もございます。
この制度はまさに今が活用するタイミングがいい時期です。

床の断熱リフォームでは、まず床下の断熱状況を確認しますが、今回は断熱材が一切入っていなかったので、ただ単に入れるだけとなります。
もしここで既存の断熱材が入っている場合、その断熱材を撤去して入れなおすか、そのまま残してさらに追加して入れるかの選択は現場管理者の見識が必要です。

既存の床下状況
既存床断熱無
↑このように既存の状態としては何も入っていないので冬はとても寒い状態です。
それでも中途半端な施工をして結露や腐食を促進するよりはいいケースもございます。

断熱施工後の状況
床断熱
↑施工後はこのように構造材以外は断熱材で覆われます。
こちらはまだ施工の統一が図られていないので、知識のない業者による施工にはご注意下さい。断熱材はただ単に入れればいいというものではありません。適切な方法で入れるから効果が生まれます。

以上、今回は床の断熱リフォーム事例をご紹介しました。