自然災害にどう立ち向かう?

近年、地球温暖化は深刻さを増し、自然災害が年を重ねるごとに威力を増しています。
史上最大の台風や大雨による洪水や土砂災害はもはや他人任せにはできない領域へとその威力を増幅させています。

自然災害対策は国や地域においても行われていますが、個々の住宅においてもやるべき対策は実行すべきだと考えます。

『自然災害に強い家づくり』、これは火災保険や地震保険よりも効果的な保険と言えるでしょう。どんな保険に入っていても、家族の生存が脅かされることが最大のリスク要因です。

そこで代表的な自然災害をいくつか挙げてみます。

◆巨大地震→耐震性の向上
◆地震及び暴風→屋根の軽量化
◆雨漏り及び劣化対策→屋根・外壁の防水性強化
◆洪水→建物のかさ上げ等
◆地震及び液状化→軟弱地盤の補強
◆暴風雨→窓などの開口部強化

このようにあげだすといくらでも出てきますが、基本的には『強固で暴風雨に強い家』が必要なのです。現在は各地の大震災の後の法改正において、耐震性は段階的に強化されてきています。

木造住宅にしても耐震対策等の構造金物はこれ以上入れたら柱が裂けるんじゃないかというくらい入れられています。

そして昨年施行された省エネ基準の改正により、現在は多くの住宅が国の基準においては、ある程度高いレベルまで引き上げられた住宅が建設されています。

では実際にその国の基準は適切なのでしょうか?

確かに国は等級制度を設けて『耐震等級3』や『省エネ等級4』などの従来よりも高い性能を標準的なレベルにしようとしていますが、単に設計における計算で耐震等級を3にして計画しても、現場の施工精度によってはその等級を確保できないケースも相当数あると考えています。
つまりペーパードライバーと同じで、運転しないから運転免許証はゴールド免許でも、運転技術が伴っていないというケースです。

これは省エネについても同様で、まだ省エネについては騒がれ始めたのが昨年(2014年)あたりからですので、断熱材の施工方法にしても適切な施工で建てられている物件が多くないのが現状です。

大手ハウスメーカーのパネル化されたものはそれほどレベルは落ちないかもしれませんが、それでもそれだけの坪単価を払って依頼している施主ならその程度の保証は当然です。
しかし大手だから安心と思って信頼してリフォームを頼むととんでもないことになりかねません。

それはホームページでもご紹介しています。
話しを戻しますが、繊維系の断熱材は特に施行にバラツキが生じやすい工種です。

ただ分厚い断熱材を壁の中に入れればいいというものではないので、適切な知識を持って適切に入れなければ効果が半減するばかりでなく、壁の中で結露して腐食をさせてしまう可能性があります。

このように、現在の建築業界(住宅)においては、耐震と省エネという2本の柱が重要視されていますが、前述した災害対策を忘れてしまっている方が多すぎます。

これからは少なくとも『地震・省エネ』はもちろん、『集中豪雨・地盤の液状化・浸水』などの対策をし、災害用備蓄も怠らないという、これらがセットになって最低限の対策といえると考えます。

目先のことだけにとらわれるのではなく、より広い視野を持って将来に向けて数十年で建て替えるのではなく、100年、200年、長きにわたって修繕しながら価値を高めていくことも大切です。

新築の方は最初からそれらを盛り込んだ計画をすればいいし、リフォームの方はこれからそれらを盛り込めばいいと思うので、ただやみくもにデザインや感情だけで行動せずに、将来を見据えて十分な性能を備えた家づくりをお勧めします。